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STEP 1 機材の基礎知識〜レンズについて その2レンズを、「ピント合わせの方法」、「焦点距離」、「単焦点レンズとズームレンズ」というように区別してみました。
1.ピント合せの方法別(1)マニュアルフォーカス(Manual Focus)マニュアルフォーカスとは、ピントリングと呼ばれるレンズに組み込まれているピントを合わせを行なう部分を手で動かしながらピント合せを行うことをいいます。自分の目と手で行なうため、神経質になりすぎてイライラしてくることもあります。 逆光(被写体の後から光が合ったている状態)では、レンズから太陽光が入ってくるために合わせづらいです。 つぎにあげるオートフォーカスとの使い分けがよいと思います。 (2)オートフォーカス(Automatic Focus)オートフォーカスとは、カメラがピント合せをおこなってくれることをいいます。オートフォーカスの歴史は、まず35ミリコンパクトカメラに始まり、一眼レフの世界には交換レンズ内に単独で組み込むという形、続いて、カメラボディー内にピント合わせるための仕組みを組み込むという形で発展してきました。ピントが合うと画面内に合焦マークが表示され、「ピピッ」と音でも知らせます。 オートフォーカスには、2種類のピント合せの方式があります。
(3)オートフォーカスが苦手な被写体もありますオートフォーカスも万能とはいきません。苦手な被写体があります。
オートフォーカスの能力を超えたような状況下では思うように動作できないということです。 したがって、こうした被写体や状況では、マニュアルフォーカスが有効です。 マニュアルフォーカスには、オートフォーカスとは異なり、苦手な被写体というものはありませんから。 まだ、オートフォーカスも苦手な被写体があり、万能ではありませんが、視力の弱い人には大いに助けになります。 2.焦点距離別焦点距離とは、無限遠のものにピントを合わせた点=焦点と、レンズとの距離のことです。一般には「f」で表します。この焦点距離別に見たレンズの特徴を 魚眼、超広角、広角、標準、中望遠、望遠、超望遠の各レンズごとに見ていきます。 なお、焦点距離に関しては、人によってレンズの呼び方や焦点距離の認識が違うことがあります。 かっこ内の数字は焦点距離です。 (1)魚眼レンズ(6.5〜16ミリ)「ぎょくがんれんず」と読みます。読んで字の如く、魚が見ているような?人間では見られないとても広い視界を写せます。魚眼レンズは、180°という標準レンズの約3.9倍の画角からくるデフォルメ効果(被写体が歪んで写ること)がとても強く、とても個性があるレンズだと思います。 ですから、撮る側が何を表現したいのかはっきりしていないと、いつの間にかワンパターンな表現になってしまうのではないでしょうか。 デフォルメ効果をどう使うかがポイントと思います。 (2)超広角レンズ(17〜20ミリ)、広角レンズ(24〜35ミリ)超広角レンズの17ミリのレンズに写し込める範囲は104°、広角レンズの35ミリではレンズに写し込める範囲は63°と非常に広い範囲を写せます。写せる範囲は、標準レンズを基準とすると、16ミリレンズは、約2.26倍。35ミリでも約1.36倍です。魚眼レンズほどではなく、レンズの焦点距離によっても違いますが、デフォルメ効果が出ます。 また、被写界深度がとても広いので絞り込めば(レンズで一番暗い=数字が一番大きい絞りに近付けるほど)、パンフォーカス(画面全体にピントが合うことです)な写真が出来ます。 また、遠近感(近くにあるものほど大きく、遠くにあるものほど小さく見える効果)が誇張されて写ります。 なぜかといえば、近くのものはより大きく写せますが、遠くのものはそれほど大きさが変わらないためです。 (3)標準レンズ(50ミリ)なぜ、50ミリ=標準レンズと言われるのでしょうか。それは、フイルム実画面の対角線の長さ(44ミリ)に一番近い寸法と同じ焦点距離を標準レンズと呼ぶしきたりからのようだとある本に書かれています。 また、レンズに写し込める範囲が45〜47°と人間の目の視覚に近く、これも50ミリが標準レンズといわれる理由でしょう。 遠近感が自然で見ていても疲れません。 このレンズは、使い方によって色々と楽しめます。 開放絞り(レンズで一番明るい=数字が一番小さい絞りのこと。レンズのどこかに「1:1.8」などとレンズの焦点距離やメーカ名の近くに書いてあるはずです。数字が小さいほど明るい。)が明るいのです。 明るいので、絞りを開けて被写体に寄って背景をボカシて、望遠レンズで撮影したようにみせたり、画面の両端に被写体を配置し、絞り込んであたかも広角レンズで撮ったようにみせたりと、「撮影者の腕」で様々な料理法のあるレンズです。 また、開放絞りの明さは、昼間なら、時間を気にせずに使えることを意味します。 多少の日陰や、夕方なら開放絞り付近で1/500秒や1/1000秒(分母が大きいほど早い=高速シャッタースピードです)といった速いシャッタースピードで撮影が出来ます。これは、鉄道写真撮影では大きなメリットです。 フィルムでは、デジタルカメラのように1枚1枚感度を変えられないからです。 望遠レンズは一般的に価格の高いものほど開放絞りが明るくなる傾向があります。 (余談ですが、高いレンズだと車が買えてしまう値段です!もし、そんなレンズをわたしが手にしたら、即、質屋に行って現金に換えます!だから、誰か譲って(笑))。 レンズの材料にいいものを使っているからです。 もうひとつの利点は、開放絞りが明るいことで、速いシャッタースピードで被写体を止めて(実際に止めるわけではありませんよ)撮影する以外に、流し撮りという撮影方法の選択ができるのです。 流し撮り(流し撮りの詳しいことは、「流し撮り 基本編」、「流し撮り 応用編」に書いてあります)は、追い写しともいい、被写体の動きに合わせてカメラを動かし、被写体以外の周囲の景色を流してスピード感や躍動感を出す撮影方法です。 陽が落ちてきて、いよいよ、速いシャッタースピードが使えなくなったら、開放絞りで出来るだけ早いシャッタースピードを選択し、流し撮りのオンパーレドです。 なぜ、流し撮りでも出来るだけ早いシャッタースピードを使うかって? ブラックアウト(ブラックアウトについて、詳しくは、「35ミリ一眼レフカメラとは?」の欠点編を見てください)の時間が短くすむからです。 なぜなら、「ブラックアウトの時間が長い=被写体の動きが見えない時間が長い=被写体の動きとカメラの動きが合わせられなくなる=結果、失敗してしまう。」可能性が高くなるためです。 流し撮りでは、被写体の動きに合せれるかが最大のポイントです。 被写体のスピードが速い、遅いというのはあまり問題ではありません。 ま、最終的には確率の問題ですが、撮影に成功した写真ばかりで選ぶのに迷っているの姿が健康的だと思うので。 (4)中望遠(85〜100ミリ)レンズに写し込める範囲は85ミリで28.5°、100ミリで24.9°です。人間がひとつの物体を見ているときの視野が25度前後になるといわれていますので、人間の目と同様の感じで被写体を撮影できるレンズですね。 わたしは、この焦点距離でよく流し撮りを行い、実は、標準レンズでも触れた開放絞りでの流し撮りもこの焦点距離ですることがとても多いのです。 わたしは、ズームレンズがこの範囲をカバーしており(35〜105ミリ)、85〜100ミリの範囲は、列車と適度に距離を取りつつ、被写体手前の障害物をカットし、多少は周囲の景色も入れられるため、流し撮りのみならず、列車写真(走行中の列車全体を捉える写真)にも使えます。 わたし自身のお気に入り作品にもこの焦点距離で撮影したものがいくつかあります。 また、駅のホーム端(撮る時は白線の内側から、後から来る列車にも注意してください)から撮る時でもホーム近くの障害物はカットできるので便利です。 (5)望遠レンズ(135〜300ミリ)遠くのものを引きつけて、あたかも撮影者の近くにあるように大きく写すことができるレンズです。レンズに写し込める範囲は、135ミリで18°、300ミリで8°です。最近は、以前よりも架線柱(架線を支える柱)などの障害物が増えてきたように思います。 鶯谷(うぐいすだに)や西日暮里など標準や中望遠で撮れたポイントも望遠レンズでないと撮れない状況になってきています。こうした時に望遠レンズの出番となるわけです。鉄道写真撮影では、使用頻度の高いレンズです。 望遠レンズの「長所」と「短所」について。
つぎに、上記であげた望遠レンズの「長所」を1つずつ詳しく見ていきます。 a.圧縮できます これは、遠近感(近くにあるものが大きく、遠くのものが小さく見える効果のことです)が圧縮されるを指しています。 つまり、遠いものと近いものが接近して、レンズ上では、同じ所にあるかのように見えます。広角レンズとは逆の効果です。 b.引きつけて撮影ができます 撮影者本人は、動くことなく、遠くの被写体をあたかも自分のそばにあるように撮れます。 c.切り取りができます 「切り取り効果」ともいいます。 被写体の一部分を切り取って、部分のアップを撮れます。 これにより、面白い写真を撮ることもできます。
つぎに、上記であげた望遠レンズの「短所」を1つずつ詳しく見ていきます。 a.全長が長く、手ブレを起こしやすいです レンズの全長が長いためです。対策は、2つあります。 1つめの対策は、速いシャッターとホールディングで手ブレを防ぐ 出来るだけ速いシャッタースピードを切ることです
手持ち(三脚などの支えを必要とせずに自分でカメラを持って撮ることです)撮影での限界シャッタースピードは、「焦点距離分の1以上」といわれています。 たとえば、50ミリなら1/50、300ミリなら1/300というように「焦点距離分の1以上」のシャッタースピードならカメラブレを起こさずに撮影ができるというものです。 ですから、まず、これを目安にしてシャッターを設定することを心がけましょう。 しかし、これだけでは不充分なのです。ハッキリ言えば、人によって異なります。 2つめの対策は、ホールディングをしっかりすることです。これが決め手です。 これによって、「焦点距離分の1以上」でもブレたり、「焦点距離分の1以下」でもブレのない写真を撮る人もいます。 b.レンズが重たいです レフレックスレンズをのぞいて、一般的に望遠レンズは、標準レンズなど焦点距離の短いレンズに比べて長く、重たいです。 やはりこれも、手ブレの原因となります。対策は、「a.全長が長く、手ブレを起こしやすいです」で書いたように、速いシャッターとホールディングで手ブレを防ぐことです。 (6)超望遠(400ミリ以上)レンズに写し込める範囲が400ミリで、約6°と標準レンズの8分の1と極めて狭い範囲しか撮影できません。「超」という名が示すとおり、望遠の持つ長所(短所も)をさらに増したレンズです。 ですので、近寄れないもの(動物など)や夕日を画面一杯に捉えるといった使い方が考えられます。 三脚や一脚は必需品です。
3.単焦点レンズかズームレンズか(1)単焦点レンズ50ミリや85ミリなど、レンズの焦点距離が一種類に固定されているレンズのことです。撮影者自身が、前後左右に動きまわらなければベストの構図が出来上がりません。そのため、「撮影者の腕」が試されるレンズです。 しかし、同じ焦点距離を含むズームレンズに比べて、レンズの開放絞りが明るく、標準レンズの所で触れたように使い勝手の良いレンズです。また、スームレンズと比べ、設計に余裕があり、性能面でも優れています。 マクロ、レフレックス、シフト、ティルトといった用途が限定されてされているレンズや、開放絞り(レンズの一番明るい=最も数字が小さい絞りです)が明るいレンズ(最も小さい絞りの数字が1.8や2などです)もここに入ります。 (2)ズームレンズズームレンズとは、35〜105,80〜200ミリなど単焦点レンズの2つ以上の焦点距離を一つのレンズにまとめたものです。ズームレンズの「長所」と「短所」について
つぎに、上記であげたズームレンズの「長所」を1つずつ詳しく見ていきます。 a.焦点距離に関して細かい調整ができます 焦点距離を連続的に変化させられるため、ズームレンズの焦点距離の範囲内であれば50ミリと80ミリの間で撮るといったことができます。 b.持ち歩きに大変便利なことです 屋外で撮る鉄道写真では、荷物はできるだけ少なく、軽くしたいので、ズームレンズならば、何本もの単焦点レンズを持ち歩かずに済みます。サイフにもgood!
つぎに、上記であげたズームレンズの「短所」を1つずつ詳しく見ていきます。 a.単焦点レンズに比べて開放絞りが暗くなります このことは、開放絞り(レンズで最も明るい絞り=数字の最も小さい絞りです)が暗い分、シャッタースピードを遅くするか、感度の高いフィルムを使わなければならいことを意味します。 たとえば、レンズの開放絞りをF1.2の単焦点レンズで絞り F1.2 シャッタースピード1/500という撮影条件だっとすると。 レンズの開放絞りF3.5のズームレンズでは、絞り開放(レンズの一番明るい絞り=数字の最も小さい絞りにすること)にしても、絞り F3.5 シャッタースピード 1/125となってしまいます。 相反則(そうはんそく)のため、1絞りの違いで、シャッタースピードは1段違ってくるためです。
この例では、開放絞りに2絞りの違いがあるので2段遅いシャッタースピードになったわけです。 これでは、動いている列車を止めて写す事は難しいでしょう。 流し撮りか駅に停車中を撮るしかないと思います。 そして、この状況で、ISO 100 のフィルムを用いているとしたら、 ズームレンズで、1/500にしたければ、ISO 400のフィルムを使わなければなりません。しかも、F3.5から絞り込め(絞りを、絞って「被写界深度」を広げること)ません。 フィルムの基礎知識の「フィルム感度について」に書いたように、フィルムでは、感度が2倍になると1絞り絞るか、1段速いシャッタースピードにするかの選択ができます。また、感度を半分にすると逆に、ひとつ絞りを開けるか、シャッタースピードを1段遅くしなくてはなりません(絞りかシャッタースピードのどちらか1つのみ変更が出来ます。どちらを選ぶかはあなたしだいです)。 この場合は、1/125から1/500にシャッタースピードを変更、つまり、2段速いシャッタースピードにしなければいけないので、感度は4倍になるわけです。 b.ズーミングだけでフレーミングを決めてしまいがちになります ズームレンズを使っていると陥りやすいワナだと思います。 ズーミングとは、ズームレンズの焦点距離内で焦点距離を変えることで、フレーミングとは、何を入れて何を入れないかを決めることです。 焦点距離を連続的に変化させられるズームレンズの長所を活かしているとは言えます。 ただ、ズーミングだけでフレーミングを決めていては、上手くなりません。 ズームレンズという道具に依存しているからです。 車ばかり使っていると歩くのがおっくうになるのと一緒です。 あなたはこのワナから抜け出さなければなりません。 こう考えてみてはどうでしょう。 ズームレンズを、単焦点レンズだと考えて、焦点距離を固定したままで、前後左右に動いてみましょう。写真のうまい人は自分の足を使って理想の構図を常に追い求めているはずです。
これを、しっくりくるまで繰り返します。 その場所、そのフレーミングがベストですか。 あなたもぜひ、あなたの足を使って納得のいく構図を探しあてて下さい。 c.焦点距離によって開放絞りが変わってしまうズームレンズもあります 開放絞りというのは、レンズで一番明るい絞り=数字の最も小さい絞りのことです。 ズームレンズの中には、焦点距離によって、具体的には広角側と望遠側で開放絞りが異なるモノがあります。 たとえば、28mmF4-105mmF5.6というように表記されているレンズのことです。 この手のレンズは、値段が安いのが最大の魅力です。 28〜105mm F3.5などの同じ志焦点距離の開放絞りが変わらないレンズとは、少なくとも一桁違ってきます。 ただ、個人的には使いづらいと思います。 なぜなら、開放絞りが焦点距離によって違うのですから。 ここに挙げた例でいえば、28ミリではF4が1番開けた絞りでですが、105ミリでは、F5.8になってしまうのですから。 シャッタースピードでいえば、一段遅くなってしまいます。 「安いのが一番、焦点距離で開放絞りが変わっても構わない」という人は、使っても良いでしょう。 レンズの役割や焦点距離、遠近感、レンズの効果的な使い方などは、「レンズについて その1」 に詳しく書きましたので、そちらを見てください。 |
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